LAN 内にモバイル VPN 用のサーバがあったり、接続先で IPv4 のグローバル IP アドレスを使ってアクセス制限がされている場合等には必須の構成になります。

この方式は、IP over IP を使い、IPv4 のパケットを IPv6 に載せるので DS-Lite と似ていますが、ルータにグローバル側の IPv4 アドレスが設定されるので、PPPoE の固定 IP アドレス設定と雰囲気は似ています。
※NAT は、masquerade に加えて、nat descriptor address outer で、IPv4 のグローバル IP アドレスの設定が必要です(詳細は、後述のコンフィグを参照)。

まずは、RTX830 の かんたん設定 を利用します。接続種別の選択 で IPv6 IPoE 接続 を選択し、ひかり電話の契約 は 契約していない、IPv4 over IPv6 トンネルの設定 → 使用するv6プラス と進みます。

次の IPv4 over IPv6 トンネルの設定 では、v6プラス固定IPサービス を選択し、以下の設定値は、契約したプロバイダから通知される内容をセットします。

アップデートサーバのURL
ユーザ名
パスワード
インターフェースID
IPv6アドレス
IPv4アドレス

設定に関しては、ご利用になるプロバイダの Web サイト等に丁寧に説明があると思うので、その辺を見て設定を進めてください。

 注意するところ

現場というか、会社の事務所等でひかり電話経由でビジネスフォン等を使っていると、ビジネスフォンの主装置(小さな PBX?)用に、HGW(ホームゲートウェイ)のような機器が ONU 直下に接続されている事が多いと思います。このような状況では、IPoE を使いインターネットへ正常に接続できるかどうか、事前によく調査・検証することをお勧めします。

ONU 直下にスイッチングハブを置き、そこから HGW(ひかり電話用)と、インターネット接続用のルータに分岐するような物理結線を行っている場合、従来の PPPoE であれば何も問題はでませんが、IPoE を利用する場合には注意が必要です。

ひかり電話を使っている場合、IPv6 アドレスは RA では取得できず、DHCPv6 であれば降ってきますが、IPv4 のグローバル IP アドレスも同時に設定され、それが HGW とぶつかったり、IPv6 アドレスのリース更新(数時間で更新)がうまくいかなかったりと、問題が多発します。

HGW の LAN 側にインターネット接続用のルータを接続し、RA でグローバル側の IPv6 アドレスが取得できれば良いのですが、HGW の設定次第では上手くいかなかったり、取得は出来ても グローバル側の IPv4 アドレスが正常に貰えなかったり、この辺はケースバイケースで、上手くいくこともあれば、全くダメな場合もあります。

また、IP 電話用に設置されている HGW(のような装置)は、一般的に電話屋さんが管理しているので、内部の設定を勝手に変更する訳にもいかず、結果としてトラブルシューティングが長引きます。このような場合は回線を共有することは諦めて、フレッツ光ネクスト回線を新規に用意するのも*あり*かもしれません。

ルータの設定に関しては、GUI を使って設定しても良いですし、実際の設定内容はヤマハの設定例を参照してください。
http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/v6plus/#setting4

DS-Lite の項でも書きましたが、LAN 内にローカル用の DNS サーバが居る場合には、

ipv6 lan1 dhcp service server

…は、設定しない(削除する)

また、IPv6 のフィルタ、ヤマハの設定例を見ると…

ipv6 filter 200030 pass * * icmp6 * *
ipv6 filter 200031 pass * * 4
ipv6 filter 200038 pass * * udp * 546

2行目の pass * * 4 が見慣れないと思いますが、これは IPIP の通信を許可する という意味です。このように、プロトコルで許可を与えるか、

ipv6 filter 200031 pass 2222:2222:2222:2222::22 * *

プロバイダから通知される BRアドレス(2222:2222:2222:2222::22はサンプル)を使って明示的に許可を与えるのも良いと思います。

最後になりましたが、LAN 内の機器に IPv6 を配布したくない場合には、

ipv6 prefix 1 ra-prefix@lan2::/64
ipv6 lan1 rtadv send 1 o_flag=on
ipv6 lan1 dhcp service server

以上を削除してください。

 ご参考

私が利用しているプロバイダはこちら…
ヤマハルータの設定とかも丁寧に説明されています。

RTX830 v6Direct/固定IP1 WebGUIのみによる設定案内
RTX1210 v6Direct/固定IP1 v6Directビジネス、NVR510等もこちらを参考として下さい。

調べても良く解らない MTU の話は、下記を参照してください。今回の IPoE/V6プラス/固定IPv4アドレス1個の場合、トンネルインターフェースの MTU は 1460 が良いみたいです。

6)既知の問題

上記WebGUI設定後は、IPv4 over IPv6のMTUがv6Neo設定時とは異なり、明示的に設定されない状況になるようです。

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