CyberPower

CyberPower社のSmart UPS PR750JPのインプレッションです。

最初に設定で悩んだことについて書いてみます。
じつは、初期設定ではUPSが期待した動作をしてくれません。

期待した動作とは…

1.UPSの一次側の商用電源がダウン=停電が発生する。
2.待機時間後に復電しない場合には、USB経由で接続機器へシャットダウンを指示。
3.シャットダウンの指示後、規定時間待機後、UPS自体もシャットダウンする。
→『UPSのシャットダウン』とは二次側(電源供給側)も電源を落とす事を意味します。
4.一定時間待機後、一次側の電源状況を見て、復電しているようならUPSを起動する。

重要なのは、3.のシャットダウン指示後は仮に一次側が復電していてもUPSが定常状態に戻ってはいけません。もし、定常状態に戻ってしまうと二次側は電源が供給され続けるので、サーバ等がBIOS設定で自動起動になっていても、シャットダウン後再起動はしません。
※サーバ等の電源が一度OFFになってからONにならないと自動起動はしないので…

さて、今回テストしているPR750JPは3.までは期待した通りに作動しましたが、残念ながら4.の動作をしません。つまり、3.でUPS自体がシャットダウンした後に一次側が復電してもUPSが自動起動しません。マニュアルやオンラインヘルプを見たりしたのですが、なかなか原因がわからずもしかして『仕様!?』なんていう絶望感に襲われていました。

しかし、オンラインヘルプには以下のように書かれています。

商用電源に障害が発生し、かつ指定の残りランタイムに達した場合やバッテリー容量が低下した場合、PowerPanel® Business Edition ソフトウェアは、コンピュータにシャットダウンし、電源をオフするように命令することがあります。 商用電源が復元すると、UPS は自動的にオンになり、コンピュータに電源を供給します。コンピュータの BIOS で、復電時に起動するよう設定している場合は、コンピュータは自動的に再起動します。
UPS 復電時の動作を構成するには、次の設定を行います。

自動復元:このオプションを有効にすると、商用電源が復元時、UPS は直ちに出力を再開します。 このオプションを無効にすると、UPS はその時点で出力を再開しないため、ユーザーが手動でオンにする必要があります。

必須の電源サイクル:電源障害により、シャットダウンシーケンスが開始されると、UPS は、接続されたコンピュータにシャットダウンするよう命令し、遅延時間後に電源オフを命令します。 商用電源が復元してから UPS がシャットオフした場合、UPS はその状態を保ちます。 この場合、商用電源は復元していますが、接続されたコンピュータはシャットダウンされ、UPS はオフになっています。必須の電源サイクルオプションを有効にした場合、UPS は遅延時間後にオフになりますが、再び 10 秒後にオンになります。 UPS は再起動し、接続された機器はすべて再起動します。

この文章を読む限り、電源復旧後の自動起動は行われる筈です。但し、ここに書かれている『自動復元』や『必須の電源サイクル』という設定項目は、サーバ機にインストールしたエージェントソフトの設定画面では見当たりません。

そこで、紙ベースの取説を良く読むと…

セットアップメニュー            初期値            説明
スキャン    ジッコウシナイ      ジッコウシナイ   10/20/30秒後を選択すると、
            10ビョウゴ                           10/20/30秒後スキャンモードに
            20ビョウゴ                           なります。
            30ビョウゴ

という記述に目がとまりました。どうも、これが必須の電源サイクルの設定ではないか?と当たりをつけて、10ビョウゴに設定すると…

期待通り、UPSシャットダウン後に自動的に再起動(4.の動作)してきました。

しかし、この設定はサーバ機で動いているエージェントソフトでは設定できなくて、UPS本体のキー操作でしか設定出来ません。しかも、取説にはスキャンモードについての記述は無いので、小一時間ほどハマリました(+_+)

■備忘録代わりに記録として残しておきます。