GRANDSTREAM から国内用に DECT フォンが発売になっています。欧米では室内で使う無線IP電話は DECT フォンが標準ですが、今迄日本で使える無線IP電話は UNiDATA 社の WiFi を使ったモデル(WPU-7700, WPU-7800)しかありませんでした。
もちろん、WPU シリーズは操作性といい、音声の品質、バッテリーの持ち等もなかなか良い製品ですが、最近は入手が難しくなってきていて、アメリカのネットショップでも見なくなってきました。
※WPU-7700, WPU-7800 はアメリカから買っても何故か技適マークがついています。
※海外から DECT フォンを購入するとおおよそ、技適マークが付いていないので国内では使えません。
話を戻して DECT フォンは、国内に関しては PHS と使用周波数が被っていたのですが、すでに PHS は使われなくなっているので、1.9GHz 帯を使える DECT フォンは室内ではとても使いやすくなっています。
周波数帯が違うので、2.4GHz 帯の無線LAN との混信がありませんし、使っている周波数が低いので RC 造の壁でもドアや窓からの回り込みで、一般的な無線 LAN より交信範囲が圧倒的に広く、音声も明瞭です。
※もっとも DECT フォンは第二世代デジタルコードレス電話といって、中身は従来の PHS とほとんど同じです。自宅や会社内で使うので自営 PHS(PHS 自営モード)と呼称します。
結論としては、この DECT フォン(DP720とDP750)はお勧めです。無線 IP 電話を国内で使うには一択であると言っても差し支えが無いと思います。
設定も非常にシンプルです。
親機となる DP750 の背面にある無線マークのスイッチをブルーのインジケータが点滅するまで長押しします。次に子機になる DP720 の電源を入れ、Menu から Settings を選択し、メニューの一番上にある Registration を選択します。
次に Register を選び、Base1 に表示される親機を選択し Subscribe(登録)します。これだけで親機と子機の接続は終了です。Bluetooth のペアリングと同じような手順になります。
※1台の親機に、4台まで子機が登録できます。また、子機からも4台の親機に登録できるので、ローミングのような動作も可能です。
ペアリングが完了すれば、後は親機である DP750 にブラウザでアクセスして、SIP情報の登録をします。
設定画面は非常に解りやすいので、IP 電話の設定を行った経験があれば、さほど悩まずに設定ができると思います。
※基本的には SIPサーバ名、アカウントとパスワードくらいしか設定項目はありません。後はデフォルトの設定で動くと思います。
また、親機となる DP750 は、PoE 対応なので LAN ケーブルから給電する事で、別途 AC アダプター等の外部電源が必要ありません。IP電話を使っていればPoE対応のスイッチングハブは手元にあると思うので、使い易さという点でも好感が持てます。
諸元諸々、詳しくはこちらをご覧下さい。
最後になりますが、最近の GRANDSTREAM 製品は電話帳が XML形式を使っています。テキストエディタでも編集は可能ですが、やはり編集が大変です。
https://www.grandstream.com/support/tools を開き、XML Configuration File Generator というツールをダウンロードすると電話帳が簡単に作成できます。